このブログでは、工作の記録、実験の結果や考察が散逸しないように専ら備忘録に使ってます。プログラムのソースや設計データ等は載せていませんが、詳しく知りたい方がおりましたらコメントいただければ対応します。

所有する主な測定器はこちらです。


2012年12月4日火曜日

赤外線投光器(1)

USBカメラとかビデオキャプチャーボードを使って防犯システムを作るソフトがあります。LiveCaptureっていうのですが、こいつを使って簡易の防犯システムを某所に作ることになりました。

このソフトは動体検出もしてくれるすぐれものですが、今回据付のリクエスト内容は「夜間も同様に動体検出おねがい」というものでした。赤外線センサーライトをつけることも考えましたが、それでは動体検出以前の数秒を録画することができなくなるので、夜間は赤外線投光器を使うことにしました。

巷ではこの赤外線投光器はすごく高いみたいなので、例によって自作することにしました。(笑

まず赤外線LEDの選定から行います。今回使う赤外線LEDはDigiKeyで探しました。
入手しやすい赤外線LEDには、発光波長が850nmのと、940nmの二種類があります。
前者の850nmはパワーが出るけどぼんやりLEDが赤く光ってしまう欠点があります。
後者の940nmはまったくLEDは光りませんが、パワーがありません。
今回は前者の850nmにしました(安いし)。

次は出力です。出力パワーもいろいろありますが、投光器なので強力なのがほしいところです。そこで見つけたのがSFH-4550という赤外線LEDです。出力は400mW/srとかなり高いです。ちなみに 秋月の高輝度赤外線LEDの出力が55mW/srなので5倍以上は出ると思います。

さてこのLEDを7個直列にして、それを10並列、合計70個の投光器にします。使用する電源は12Vにしました。
データーシートからこのLEDの電圧降下を調べます。上のIF-VFグラフ曲線から、電流を100mAとしたときの電圧降下は1.55Vとなりました。これが7個直列なのでLEDの電圧降下は10.85Vです。電源電圧が12Vなので、12-10.85=1.15、この1.15Vで100mA流れるように抵抗値を決めます。つまり11.5Ω、約12Ωとなります。また抵抗の消費電力は、P=I2Rなので、P=0.115Wとなり、チップ抵抗でも充分な小ささになります。

以上を踏まえて、いつもの基板屋に赤外線LED基板を出しました。基板の余った部分がもったいないので、暗くなったらリレーがONになるような回路を組んでみました。明暗センサーとしてお馴染みのCDSを使っています。
これで夕方暗くなるくらいで点灯、朝方消灯するように調整すればOKでしょう。

とりあえず今日はここまでにして、次回は実際に組み立ててみます。


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2012年12月1日土曜日

STM32基板につける前置マイクアンプ回路(1)

もう12月になりました。作業部屋が寒くて工作が捗りません(笑
 
さて、以前(8月くらい)に以下のようなことをfacebookに書きました。
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STMicroのCortexM4+DSPボードをこの前買ってきたので、ULINK2uVisonで使ってみました。
このボードは、ST-LINK/V2というプログラマーに対応してるので、ULINK2のようなJTAGユニットはそのままでは繋がらないです。
そこでCPUのSerialWireモードJTAGポートに直接繋げるように治具基板をつくってつなげてみました。サンプルLEDチカチカプログラムがちゃんと動いたのでOKですね

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今回はこの基板のA/D入力3chにマイクをつなげてみようというお話です。

繋げるマイクですが、おなじみ秋月電子のWM-E13UYというECM(コンデンサマイク)です。ちなみに4つで100円です(安っ。

また増幅素子としてJRCのオペアンプNJM3414Aを使います。このオペアンプは単電源(+3V-+15V)で動き、8ピンで2回路入っています。
この基板はマイコン基板に接続するため、オペアンプを5V単電源で駆動させるつもりです。したがって、増幅信号の電圧中点を+2.5Vにベースアップし、最大でスイング幅が0.5-4.5Vくらいになるよう設計します。

さて増幅を行うオペアンプ回路ですが、ちゃんと設計しないととんでもない波形になってしまいます。そこで、事前にspiceでシミュレーションして定数等を決定することにしましょう。使用するSPICEは、リニアテクノロジーが無料で出しているLTSpice IVです。これにJRCがNJM3414Aspice用データを公開しているので、ダウンロードしておきます。

マイクロフォンの信号レベルはけっこう変化します。ですので、入力レベルが上がってもすぐ飽和しないようにします。そこで、入力信号が2mVp-pのときに出力信号を0.6-2.7Vp-pくらいスイングさせると、エイヤっと決めちゃいます。

設計した回路は以下のようになり、ゲインは約1000倍になります。
この時のグラフはこんな感じです。緑が入力信号、青が一段目、赤が二段目です。

この回路を3ついれた基板を設計し、いつもの基板屋FUSIONに出しました。なんかこの前の暴動以来税関審査が長くなっているようです。いやがらせですね。いつもより少し時間がかかって届きました。
なお、マイクを基板上ではなくアームの先などに付けたい場合の取付基板を、6つ基板上に用意しました。切り離して使います。
完成図を撮りたかったので、部品を実装してSTM32基板につなげてみました。
この時は3回路のうち2回路だけ実装しました。

こんな感じですが、次回は実際にマイクに音源を入れてみて、信号波形を観測することにします。




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2012年11月29日木曜日

マイクロウェーブ展2012 NWE2012

昨日から3日間、パシフィコ横浜展示棟でマイクロウェーブ展2012がやっています。入場無料でおもしろいワークショップやるので参加しています。


今日(2日目)は、高周波設計におけるシミュレータ活用の勘所というテーマで、電磁解析シミュレータのベンダ担当が、学会で作ったお題にそって事前に解析した結果を、会場で比較発表しあうということをやっていました。

大変おもしろかったです。

3日目も楽しみです。



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2012年11月28日水曜日

70インチ画面で懐ゲー

某所に70インチ液晶ディスプレイがあったので、iPadの画面をHDMIで出力し、昨日書いたWiiリモコン互換のスパファミコントローラを使ってみました。


さすがにデカイ、これでシューティングすると気持ちいいです。
今度は、横スクロールゲームやってみよう。

やっぱ「パロディウスだ!」 かな。

ちなみに、スーパーマリオカートやってみたら、画面がぐるぐるまわるので酔いそうでした。

注)ROMダウンロードは違法です。このblogで遊んでるゲームデータは全て手持ちのカセットから吸い出したものです。


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2012年11月27日火曜日

Wiiリモコン互換のスーパーファミコンコントローラの製作

このごろiPhone/iPadで懐かしゲームを遊んでます。
やっぱアーケードゲームはMAME とか、SNES9xでスーファミとかできちゃうわけです。
でもiPadにはキーがありません。そこでタッチパッド上の指定部分にコントローラのボタンが浮かび、それを下の画像のようにタッチすることでコントロールします。
で、これがまた使いにくい、これでは楽しさ半減です。
特にiPhoneでは、もう、無理(笑。

この点はエミュレータ製作者側もよく考えていて、これら懐ゲームのエミュレータはWiiリモコンが使えます。iPad/iPhoneはブルーツースを内蔵し、Wiiリモコンも通信にブルーツースを使用しているからです。(MAME/androidも同じようにWiiリモコン使えるみたいです)


 実際にはこんな風に使ってます。
  
でもWiiリモコンはボタンがコントローラ上面下面に配置してあるので、無線化したとしてもコントローラ自体が使いにくいです。Aボタンが上面、Bボタンが下のトリガーじゃあ。。。

Wiiのユーザーさんにも、コントローラも昔の感じがいい!って思う人もいるみたいで、任天堂さんはWiiリモコンのオプションとしてクラッシックコントローラなるものを販売しています。このリモコンのケーブルをWiiリモコンにお尻に挿せばOKです。一応これで遊びやすくはなります。一 応 は、 ね 。 。 。
でも、でも、でも、せっかくブルーツースのリモコンにしたのに、またケーブル!ってな感じで不満です。これじゃあ外で遊ぶのに持ち運びが不便だし、なにしろカッコ悪い。もっとスマートにしたいわけです。

てなわけで、スーパーファミコンのコントローラをWiiリモコン互換に改造してしまえばいいよねとつながるわけです。(やっとか)

さっそく、スーパーファミコンのコントローラを入手します。懐かしいですね。やはりゲームコントローラの中でこいつが一番手に馴染むような気がします。
これからやりたいことを改めて書くと、ファミコンのコントローラをWiiリモコン化してしまえば、エミュレーターでスーパーファミコンコントローラが使えちゃうぜ、すげー みたいなことです。

先ほど書いたように、Wiiリモコンはブルーツースを使って無線通信しています。ブルーツース機能をスーパーファミコンのコントローラに入れるためには、Bluetoothの無線モジュールとコントロールするCPUを組み込まないといけませんが、このモジュールがクソ高い。たとえばこんなモジュールがありますが5千円以上、さすがに買えないなあ。

もっと安く仕上げるために、 この写真みたいなUSBドングルをマイコンにつなげることにしました。これならamazonでも1000円未満、アキバなら500円くらいで転がってます。しかもWii互換リモコンにするならEDRv2.0、飛距離が10m、値段も安いやつで十分です。

完成イメージは、こんな感じ。ファミコンのコードをぶっちぎって、そこにUSBドングルの頭がピョコンと出ているような感じにします。

ではこれを制御するマイコンはどうしましょう。USBドングルをコントロールするためにはUSBホスト機能が必要です。今回は16ビットのPICマイコンにUSBホスト内蔵のPIC24FJ64GB002という、省電力なマイコンで入手が比較的簡単なPICを使ってみます。
このPICに、USBスタック+Bluetoothスタック+コントローラ信号処理を組み合わせた独自ファームを書き込みます。下の写真はバラックテストの風景です。
うまく動くようになったところで、そろそろコントローラをバラしてみましょう。
ミツミの基板が出てきました。
さて、このファミコンコントローラの隙間にコントロール基板を内蔵させます。下の写真のようなコントロール基板を設計し、いつもの格安基板屋FUSIONに基板を作ってもらいました。

所謂無線リモコンを作るので、やはりバッテリー内蔵でやるべきでしょう。今回はリチウムイオンポリマー電池を使いました。

Wiiリモコンと同じような4つの青LED(写真の左下部分)を付け、USBで充電&Firm書き換え可能、バッテリー搭載の基板を設計しました。ミツミの基板の端子穴にあわせて設計基板にもランドを作ってあるので、ミツミ基板に重ねてジャンパーを通せば接続OKです。

省電力設計なので、満充電で2−3時間は使えます。
これをいつもの基板屋FUSIONに出しました。

部品を手半田で実装し、先ほどのミツミの基板の裏にくっつけます。電池下部の5ピンのコントローラ端子を2枚の基板を貫通するようにハンダ付けします。

コントローラのケースに入れると写真のようにぴったりに入りました。隙間みっちりです(笑。裏蓋はLED用の穴をあけ、LEDの光を導くためにアクリル棒を入れてあります。

というわけで、このように出来上がりました。
裏から見ると、左下に青LED用の穴が4つ、中央に充電LED用に穴が1つ見えます。

このコントローラでさっそく遊んでみました。懐かしのアーケードゲームの1943です。操作性バッチリです。

スーファミだとスーパーボンバーマンが最大5人で遊べます。ちゃんとコントローラ5台が同時に使えるのか検証するため、5コントローラのリンクアップ動画を撮ってみました。

iPadの画面サイズでもいいんですが、おうちで遊ぶときは外部モニタに出力させて遊んで見るのも楽しいです。プロジェクターで投影するのもアリでしょう。
やはりケーブルが無いのはとてもスマートで良い感じです。

注)ROMダウンロードは違法です。このblogで遊んでるゲームデータは全て手持ちのカセットから吸い出したものです。

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