このブログでは、工作の記録、実験の結果や考察が散逸しないように専ら備忘録に使ってます。プログラムのソースや設計データ等は載せていませんが、詳しく知りたい方がおりましたらコメントいただければ対応します。

所有する主な測定器はこちらです。


2017年8月28日月曜日

エジソンプラザの今 (2017/8)

横浜の石川町にエジソンプラザがあるのを覚えてる人はいますでしょうか?
80年代から90年代は、わざわざ秋葉原に行かなくてもちょっとした電子部品はここで揃ってしまうミニ電気街がありました。
1Fにはトヨムラさんがリグやアンテナを販売し、2Fにはアキバの千石電商や日本橋の共立電子も入って10店舗くらいの賑やかな場所でした。アマチュア無線の講習会なんかもやってましたね。
あれから30年以上経ち、どんどん店舗が撤退していきました。1Fもコンビニになってしまいました。





さて、ちょっとした電子部品が必要だったので、久しぶりにエジソンプラザに来ました。
相模電子のオーナーが亡くなったので、もうタックさんとシンコーさんの2店舗。
寂しいかぎり。

手前のお店がタックさんです。ここは相模電子さんがエレベータ横から移ったスペースですが相模電子さんが撤退したので、タックさんが左側のスペースからスライドしてきました。

奥のお店がシンコーさんですね。相変わらずおばあちゃんが座って元気に商売しています。
お目当ての部品の他、配線材やジャンク部品を買い込んで帰りました。


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2017年8月16日水曜日

DVB-T+FM+DAB 地デジのチューナーを使ったSDR [RTL-SDR]

ADALM-PLUTOでRF実験をしていますが、こんなのが届きました。
本体にはDVB-T+FM+DABって長ったらしく書かれています。あと外部アンテナとリモコンもあります。(リモコンは即ごみ箱行き)

さて、このDVB-Tというのは、ヨーロッパ方式の地上デジタルTV放送です。
次のFMは通常のFM放送です。
最後のDABは、地上波デジタルラジオ放送です。
つまりこのUSBドングルは、これら3つの放送が受信可能なチューナーというわけです。
(このドングルにはRTL2832Uというデコーダーチップと、R820T2というチューナーチップが入っています。R820T2は第2世代のヨーロッパ方式の地上デジタルTV放送対応チップです。)

ところで、日本では当然ヨーロッパ方式の地上デジタルTV放送なんて見えません。
では何をするのかというと、この地上デジタルTVチューナーをソフトウェア無線機(SDR)にしてしまおうというわけです。
Zadigというドライバソフトを使うと、チューナー内蔵のデコーダーチップをコントロールすることができます。つまり、プログラムで制御可能な広帯域の受信機ができあがるわけです。
あと何がすごいって価格が安い!
Amazonには何種類もありますが、高くても2000円程度で高性能な受信機が手に入ります。

さっそく、Zadigドライバをインストールします。
デバイス一覧でRTL2832Uという文字列を選択します。このドングルはbluetoothミニポートドライバを介して接続されています。Zadigは、これを汎用USBドライバに置き換えるプログラムです。これにより内蔵デコーダーチップをコントロールすることができるので、受信する周波数や帯域を変更できます。

先ほどのZadigのホームページには、いくつかの受信機ソフトがあります。無論、これらを使うと高性能なソフトウェア受信機を体験することができますが、今回はADALM-PLUTOの時も使ったMATLAB/Simulinkを使って見ようと思います。

さてMATLAB/Simulinkを起動し、FMラジオのブロック線図を作ります。
聞きたいFM放送局の周波数を緑の部分に設定してあげます。80ということは東京FMですね。
このドングルのチューナー付属のアンテナを接続するのを忘れずに。いとも簡単にFMラジオになりました。

では、前回やったように航空機の位置情報を受信することはできるのでしょうか。
さっそくADS-B受信のブロック線図を書いてみます
屋内にいるので、うまく受信できるか分かりませんがやってみます。
なんとか1機だけ見えています。飛行場近くでやってみると面白いでしょうね。

このように、目的のシステム(今回はFMラジオとADS-B受信機)のRF受信部をADALM-PLUTOや今回の地デジチューナーが担当し、残りの部分をソフトウェアにすることで、システム全体のハードウェアに依存する部分を相当減らすことができます。
また、無線機をソフトウェア化したことで、RF部分以外の部分を例えばラズベリーパイで実行することも容易になります。

つまり、システム全体のうち、ハード(RF送受信部)に依存する部分と、依存しない部分(ソフトウェア化可能)を明確に分けることで、設計のスピードが上がることが期待できます。
またソフトウェアなので修正も簡単でリビジョンアップが容易になります。ハードウェアだとこんな簡単には修正できないでしょう。

さて、今日はここまでにします。
このUSBドングルにもいくつか種類がありますが、その違いについては次回以降で。

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2017年8月15日火曜日

ADS-B受信、FM受信機のデモサンプル ADALM-PLUTO [その2]

高性能なRF実験機器のADALM-PLUTOですが、実際にADS-Bの受信のデモプログラムを動かしてみます。
ADS-Bとは、Automatic Dependent Surveillance-Broadcastの略で、航空機が自機の位置や高度を通報するものです。
送信周波数は1090MHzで共通です。

航空機から送信される情報は、
  • ID番号
  • 位置情報(経度、緯度)
  • 速度
  • 高度
  • 進行方向
などです。

スマホアプリにフライトレーダー24というのがあって全世界の航空機の飛行状況が見れます。これはフレイトレーダー24の運営会社の設置した受信装置や、世界各地にこのADS-B受信装置を持っている有志が受信した情報を集約し、そのデータに出発・到着の空港情報を付与しているからです。

ではさっそく、ADALM-PLUTOを使ってADS-B電波を受信してみます。この場所は比較的羽田空港に近いので、飛んでいる航空機の電波を受信できるはずです。

まず屋外に出て、ADALM-PLUTOをPCにUSB接続します。
ADALM-PLUTOのRF受信機のパラメータを自動的に設定し、サンプリングしたRF信号をPCに取り込むプログラムを走らせます。これらはすべてMATLABという科学技術計算用ソフトで動きます。
プログラムを実行させてADS-Bの電波を受信します。
すると、航空機の情報が出てきました。
こんな感じに飛行機を地図上にもプロットできます。フライトレーダー24の画面みたいですね。
このように、MATLAB上でADALM-PLUTOのパラメータを設定してあげるだけで、ADALM-PLUTOが様々な特性の送受信機に変化します。これによって柔軟なRF実験ができることはとてもすばらしいです。

次にMATLAB/Simulinkのブロック線図で次のような回路を作ってあげます。RF受信部としてADALM-PLUTOを使い、受信したRF信号の生データをFM復調器に接続し、復調データをスピーカに接続します。
すると、FMラジオができます。
受信したい周波数を与えてあげると(緑の枠にMHz単位で記入)、FM放送がPC内蔵スピーカーから聞こえてきます。
受信したFM変調信号を復調する部分はソフトウェアが行っています。

このように視覚的にわかりやすいブロック線図でRF実験することが可能です。

次回はADALM-PLUTOを使って、データ送受信の実験をします。



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2017年8月12日土曜日

アナログデバイセス社のSDR検証ツール ADALM-PLUTO [その1]

SDRというものがあります。Software Defined Radioの略で、ソフトウェアラジオ、ソフトウェア無線機と呼ばれます。

ラジオや無線機というものは、様々な周波数帯、出力、変復調方式などでハードウェアの構成が決まってしまうため、専用の半導体素子等で作りこまれるものです。例えばラジオでもAMラジオとFMラジオでは大きさから内部の半導体に至るまですべてが異なるのが普通です。

昨今、半導体技術の進歩により低価格で処理速度が高いCPUが出てきました。したがって、高度な信号処理をソフトウェアで行うことが可能になったわけです。
簡単に言えば、AMラジオとFMラジオのそれぞれの機能をプログラミングで実現してCPUで実行させることで、AMラジオとFMラジオの両方の機能を1つのハードウェアで実現できてしまいます。また、新しい機能を追加することもソフトウェアでならば容易です。

このように、これまで専用の半導体を組み合わせて設計してきたハードウェアとしての無線機を、汎用のハードウェア上で実行する1つのソフトウェアに置き換えてしまうことが個人レベルでも実現できてしまったということです。

例えば、ラズベリーパイのような汎用で高性能なCPU基板であれば、FMラジオや無線機を作ることも可能ですが、そもそも無線機というのは最終的に電波を送受信することが必要です。ラズパイでは送信する手前の信号を作ることはできても、ラズパイの端子をアンテナに接続しても電波を送受信することはできません。

ソフトウェア無線機によって生成された電気信号を、実際の電波にしてアンテナから放出する、もしくはアンテナで受信した電波を取り込んでソフトウェア無線機に供給するためには専用の送信・受信の素子が必要です。
つまり、実際にソフトウェア無線機を実験するためには、ラズパイのようなCPU基板の他に、電波を送受信するためのRFモジュール・基板が必要です。
これまで、CPU基板+RF基板でSDRを実現できるキットは多く発売されていますが、どれも個人では簡単には買えない値段です。(10万円以上は普通)

そんな中、アナログデバイセズ社から低価格(149$)で高性能のSDR検証機器(ADALM-PLUTO)が発売されました。あまりの性能とコストパフォーマンスの良さにあっという間に在庫切れ、やっと今月になって入手できるようになりました。昨日届いたので早速開けてみます。
こんな箱に入ってます。中身はこんな感じ
USBでPCに接続し、送受信のSMAコネクタが出ています。
付属品としてRFアンテナ2本と、ループバック用同軸ケーブルが入っていました。
性能としてはこんな感じです

  • 送受信用LSIとして、AD9363を内蔵
    • LOは325MHzから3.8GHz
    • 信号帯域は20MHz
    • ベースバンドサンプルレートは520kHzから61.44MHz
したがって、この機器でAM変復調からLTEまで対応可能です。またソフトウェア無線機を搭載する部分は、Xilinx社のFPGA、ZYNQ7010が搭載されています。このFPGAにはCoretexA9のCPUも搭載されています。


PC側での制御ですが、MATLAB/Simulink を使っていろいろな実験を行っていきたいと思います。
今日はとりあえずここまで。



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2017年8月11日金曜日

指紋採取セットを買ってみました。

今日ダイソーに行ったら、こんなものを発見。
夏休みの自由研究コーナーにあったんですが、指紋採取のセットです。
まあ、当然1つ買ってみました。
中身はタンポ、蓄光パウダー、透明テープに黒台紙、なんか本格的です。

さっそくやってみましょう。

まず指紋をつっつけるためのガラスのコップを用意して、親指ベター。
指紋の付きが悪い時には、指先を鼻でこすって脂分を補充するとよいと説明書には書いてありました。

そして、蓄光パウダーをタンポにくっつけてコップにトントンしました。この辺は刑事ドラマの鑑識さんそのものです。
うん、粉がガラスにくっついて、指紋の紋様が浮かび上がってきました。
でも、なんか汚い、、ちょっと指を強く押しつけすぎたかも。
そして透明テープを貼って指紋を転写した後、黒い台紙に貼り付けました。でもこのままでは指紋はよく見えないです。

さて、コップに親指ベターすると、凸版印刷のように指の皮脂が指紋の形状でガラスにくっつきます。そして、タンポで蓄光パウダーをトントンすると、その皮脂にパウダーがくっつきます。そのパウダーをシールに転写して台紙に貼り付けたわけです。
この蓄光パウダーが光るためにはブラックライト(紫外線照射装置)が必要です。このキットには含まれておらず、別売りと書いてあります。
さっそくブラックライトを照射。すると指紋が浮かび上がりました。
やっぱり強く押し付けすぎて指紋が汚い。。。。
ですが、なんかそれなりに使えそうというのがわかりました。

ところで、これって子供たちの夏休みの自由研究になるんだろうか、ちょっと疑問。
普通の家庭にはブラックライトなんて置いてないだろうし。。



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これはブラックライトがキットに含まれています →

2017年8月10日木曜日

基板CADソフトについて


基板CADの一つにドイツCadSoft Computer社のEagle PCB editer/routerがありました。
数多くある基板CADの中で、かなり上位の地位を占めていたと僕は思っています。それは、個人の自作レベルの基板サイズ(100x80mm)であればオートルーター機能までが無償(non-profit edition)で使えたというのが大きな要因であったのかなと思います。さらに、Eagleの関連書籍(下のほうにリンクをいくつか挙げました。)も出ています。
近年、個人がEagleを用いて基板を設計し、基板製造会社にオンラインで発注することが容易になりました。この点においてEagleには、個人の電子工作の自作レベルを上げてきた大きな功績があると思います。
(当然、格安の基板製造会社が登場してきたことも大きな要因ですが、個人からの需要増大に合わせて登場してきたという側面もあります。)

で、そのCadSoft Computer社が、デザインツールを山ほど手掛けているAUTODESKに買収されてしまったのが去年のこと。
もっと正確に言えば、部品供給会社のPremier Farnellが身売りをする中で、主力部門では無かったCadSoft Computer社をAUTODESKが買ったということですが。
新しいEagleCADのリリースページ

で、気になるのは、新しいEagleをこれまで通り個人が無償で使っていけるかですが、既にご存知の方も多いでしょうけど、結論としては問題ないです。ここにFreeTrial版の制限が書いてあります。
これまで通り回路図は2枚まで、2層、オートルーター機能あり、非商用に限る、とあります。これまでと大きく異なるのは基板サイズの制限です。
従前のEagleでは基板サイズは100x80mmまででしたが、新しいEagleは面積要件として80cm2 の制限があるだけです。つまりこれまで作れなかった4cm x 20cm という基板も、新しいEagleだと作れるということで自由度は少し上がったのかなと。

いちろ工房ではEagleを使って多くの基板を設計し実験をしてきましたが、前回の投稿の通り基板屋さんをPCBGoGoに変更しました。
ただし、基板屋さんが使っている製造装置の性能(ドリス径は最小何ミリまでOKだとか、パターン配線の最小間隔はいくつだとか)を基板CADに教えてあげる必要があります。
あと、実際に基板屋さんに発注する場合には、製造に必要なデータ(ガーバーデータ)を出力するための設定も必要です。これらの数値データはホームページに書いてはありますが、これらを読んでEagleにいちいち設定を書き込んでいくのも面倒ですね。

もしEagleで基板を設計してPCBGoGoに製造依頼する人がいたら、これらの設定データを下記に置いておきますのでご自由にどうぞ。(あ、4層基板はFreeTrial版では作れないんですけどね笑)
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2層基板用
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4層基板用
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2017年8月7日月曜日

プリント基板屋

ずっとプリント基板製造をfusionに頼んでいましたが、PCBGoGoに変更しました。
使って見た感想としては
  • 品質:Fusionと同程度以上。レジスト色がFusionより多い。
  • コスト:Fusionより安価
  • サポート:とても良い
  • ガーバーデータ:Fusionと同じく、excellion形式で受付可能
  • クーポン:ユーザー登録すると10%割引とか無料券がもらえる
というわけで、去年くらいからPCBGoGoを使うようにしています。
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2017年8月6日日曜日

アナログ信号アイソレータ

計測器からのアナログの電気信号を2方向に同値で出力し、1つの入力信号と2つの出力信号全てが互いに絶縁であるような機械を、某所では計測器用のアナログ信号アイソレータと呼んでます。(高周波部品のアイソレータとは異なります。)
このアイソレータを設計・製作することになったのですが、アナログ信号x1と接点信号x5を1セットとして合計5セットの仕様です。

ます、信号ソースですが、計測器からのアナログ信号の変化速度は遅く、高周波成分はほとんど乗っていません。したがって入出力が絶縁されたアイソレータICと計装用高精度OpAMPを使用して、入出力比が1倍の高精度なアイソレータのサブ基板を設計しました。
高精度アイソレータサブ基板


接点信号は絶縁して2出力する必要があったため、リレーをたくさん使用しています。
こんな感じでケースに詰め込みます。
 最終的にこんな感じに仕上がりました。

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USBプロトコルアナライザ

必要に迫られてUSBプロトコルアナライザをバラックで作ったんですが、手配線バリバリのジャンク機械では心許ない。
やっぱり基板をつくってケースに収納して、、、でも量産する必要もないんですけどね。
さて、オートルータ機能は使わずに手で配線していきます。
4層基板で配線、、まだしてませんけど(笑)

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2017年8月4日金曜日

投稿予定の製作物

長期にブログをさぼっていた間に作ったものを順次アップしていこうと思います。

  • 農業用IoTデータロガーとセンサー類
  • アナログ信号アイソレータ
  • COD連続測定機のコントローラ基板
  • 可搬型簡易空間放射線量計
などなど


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再開します

しばらく更新していなかったので、また不定期に技術ネタを書いていこうと思います。


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