2430Aの修理は無事完了と思ってたんですが、どうもCh.2の接触不良が改善しません。コネクタを揺らすと、信号が途切れたりします。
これは内部で半田クラックになってると踏んで、再び分解しました。
入力部はアッテネータユニットに接続されてからアンプに入るようになっています。このアッテネータユニットはシールドケースに入ってねじ止めされています。狭いところのねじを外すのがめんどいですが、なんとかはずしました。
アッテネータユニットのシールドを取ってみると、やはり入力(BNC)からアッテネータ基板(写真の白い基板)までの線が外れかかっていました。半田で接続した後、仮組みし、もう一度チェックです。
今度はうまくいったようです。
元通りにして、めでたしめでたし。
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このブログでは、工作の記録、実験の結果や考察が散逸しないように専ら備忘録に使ってます。プログラムのソースや設計データ等は載せていませんが、詳しく知りたい方がおりましたらコメントいただければ対応します。
所有する主な測定器はこちらです。
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2011年8月29日月曜日
2011年8月28日日曜日
オシロスコープの修理 (Tektronix 2430A)
調子が悪く要修理で放出されたテクトロのオシロを、とっても安くゲットしました。
Tektronixの2430Aという、150MHz 2chのデジタルオシロスコープです。
1980年代後半の製品で、当時150万くらいしたでしょうか。
しっかりとした作りなので、まだ十分動くと思います。
で、今回のオシロの症状をチェックしてみました。
まず、電源スイッチをポチっと。起動してファンが回り(ファンが回るのは結構重要なポイントです。)、自動的に自己診断が開始します。
全PASSです。コネクタやつまみなども異常ないようです。
んー、5分くらいしてから再びDIAGを行います。
すると、CCD関係のゲインがFAILし、ほかにもいろいろFAILしだしました。こりゃいかんですね。
次に波形を見てみようかなと基準信号を入力したところベースが安定しません。上下に波形ががふらつく感じ。
またCh.2の垂直ポジションつまみを動かすと、通常なら波形を上下に動かせるんですが、こいつは勝手に動いてしまいます。上か下に行きっぱなしで波形が見えなくなっちゃいました。
さらに時々Ch.2に入力できなくなります。
重症ではないですが、使用するには支障をきたすレベルです。
さて、症状はわかったので原因と対策を考えましょう。
まず、通電直後は問題ないのに時間がたつとおかしくなるのは、冷却がうまくいってなくてオーバーヒートしている可能性が高いです。テクトロの2400シリーズは熱にシビアなので、ほこりが放熱板とか部品にくっついて風の通りが悪くなってるんじゃないかなあと予想。
つうわけで、ふたを開けてエアーダスターで吹き飛ばすことをやってみましょう。
波形のベースが安定しないのも、冷却がうまくいってないからでしょう。
次に波形のポジションつまみですが、回路図を見るとこの部分は可変抵抗器になっていました。たぶん可変抵抗器内部の接触不良です。軸の隙間にポリコールを垂らせば直ると思います。
では、本体をばらして中身をとりだします。さすがテクトロって感じの作りですね。本体下部には発熱する素子がてんこ盛りです。
内部のほこりをエアーダスターで吹き飛ばし、細かい掃除を行います。次にフロントパネルを分解し、接触不良と思われるボリュームの軸から内部へポリコールを浸透させます。
信号のコネクタも接触不良っぽくなってそうなので、ついでにポリコールをたらします。
いよいよ通電をしてみると、なかなかよいようです。対策はドンピシャっていうところでしょうか。
ここで、扇風機を本体の下部にあるヒートシンク群に向け、送風開始です。
なぜかというと、本体カバーがクローズになっているときは冷却ファンが風道を作って全体が冷えるんですが、校正等でオープンにしている場合には、強制的に内部を冷やさないとオーバーヒートするからです。
校正マニュアルにも、これをやらないと素子が破壊されることもあるよと、要注意事項として書いてありました。
まず、安定性のチェックとして、しばらく放置して何回か自己診断をしてみましたが問題ありません。
Tektronixの2430Aという、150MHz 2chのデジタルオシロスコープです。
1980年代後半の製品で、当時150万くらいしたでしょうか。
しっかりとした作りなので、まだ十分動くと思います。
で、今回のオシロの症状をチェックしてみました。
まず、電源スイッチをポチっと。起動してファンが回り(ファンが回るのは結構重要なポイントです。)、自動的に自己診断が開始します。
全PASSです。コネクタやつまみなども異常ないようです。
んー、5分くらいしてから再びDIAGを行います。
すると、CCD関係のゲインがFAILし、ほかにもいろいろFAILしだしました。こりゃいかんですね。
次に波形を見てみようかなと基準信号を入力したところベースが安定しません。上下に波形ががふらつく感じ。
またCh.2の垂直ポジションつまみを動かすと、通常なら波形を上下に動かせるんですが、こいつは勝手に動いてしまいます。上か下に行きっぱなしで波形が見えなくなっちゃいました。
さらに時々Ch.2に入力できなくなります。
重症ではないですが、使用するには支障をきたすレベルです。
さて、症状はわかったので原因と対策を考えましょう。
まず、通電直後は問題ないのに時間がたつとおかしくなるのは、冷却がうまくいってなくてオーバーヒートしている可能性が高いです。テクトロの2400シリーズは熱にシビアなので、ほこりが放熱板とか部品にくっついて風の通りが悪くなってるんじゃないかなあと予想。
つうわけで、ふたを開けてエアーダスターで吹き飛ばすことをやってみましょう。
波形のベースが安定しないのも、冷却がうまくいってないからでしょう。
次に波形のポジションつまみですが、回路図を見るとこの部分は可変抵抗器になっていました。たぶん可変抵抗器内部の接触不良です。軸の隙間にポリコールを垂らせば直ると思います。
では、本体をばらして中身をとりだします。さすがテクトロって感じの作りですね。本体下部には発熱する素子がてんこ盛りです。
内部のほこりをエアーダスターで吹き飛ばし、細かい掃除を行います。次にフロントパネルを分解し、接触不良と思われるボリュームの軸から内部へポリコールを浸透させます。
信号のコネクタも接触不良っぽくなってそうなので、ついでにポリコールをたらします。
いよいよ通電をしてみると、なかなかよいようです。対策はドンピシャっていうところでしょうか。
ここで、扇風機を本体の下部にあるヒートシンク群に向け、送風開始です。
なぜかというと、本体カバーがクローズになっているときは冷却ファンが風道を作って全体が冷えるんですが、校正等でオープンにしている場合には、強制的に内部を冷やさないとオーバーヒートするからです。
校正マニュアルにも、これをやらないと素子が破壊されることもあるよと、要注意事項として書いてありました。
まず、安定性のチェックとして、しばらく放置して何回か自己診断をしてみましたが問題ありません。
こんな感じで、全チェックPASSしています。
あとは校正を行います。校正するときは、サイドの基板にあるJ156のショートプラグを引き抜くことで、メニューのEXTCALが有効化されます。メニューの指示通りにキャリブレータから所定の電圧を印可して校正します。この辺はさすがデジタルオシロ、簡単になってます。
ショートプラグを元に戻し、最後にケースを元通りにして終了です。
テスト信号を入力してみましたが、Ch1,2とも問題ありません。
往年の名機が復活して喜ばしいのですが、活躍の場はあまり無さそうなのが残念です(笑
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あとは校正を行います。校正するときは、サイドの基板にあるJ156のショートプラグを引き抜くことで、メニューのEXTCALが有効化されます。メニューの指示通りにキャリブレータから所定の電圧を印可して校正します。この辺はさすがデジタルオシロ、簡単になってます。
ショートプラグを元に戻し、最後にケースを元通りにして終了です。
テスト信号を入力してみましたが、Ch1,2とも問題ありません。
往年の名機が復活して喜ばしいのですが、活躍の場はあまり無さそうなのが残念です(笑
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2011年8月24日水曜日
ネットワーク・アナライザの校正基板(1)
ネットワークアナライザーを使ったことがある人は、測定の基準点の校正をしないと役に立たないことを知っているでしょう。
このブログの最初の方で、高周波を評価するには電力を使うのが普通ですと書きましたが、ネットワークアナライザは位相と振幅を測定することで、電力の入出力および反射を表示する測定器です。(ネットワークアナライザにはベクトル型とスカラー型があって、前者は位相と振幅を見ますが、後者は振幅のみを見ます。)
一般的なネットワークアナライザにはポートが2つあり、その2つのポートの間に測定する回路等を入れます。この回路等を分布定数回路の2端子回路とみなし、そのSパラメータを測定するのがネットワークアナライザです。
数GHzから数十GHzの周波数になると、1λ(波長)が数センチから数10センチの長さになります。さらに伝送路がプリント基板上の配線になったり同軸のように誘電体に囲まれると、さらに波長が短縮します。つまり、高周波では伝送路つまりケーブルの長さにシビアであるということです。
先ほどのネットワークアナライザは位相を見るので、このケーブルの長さを考慮しないと、結果が違ってきてしまいます。
そこで、ネットワークアナライザを使う時には、実際に測定する素子や基板と、ケーブルの接点までの経路を校正してあげる必要があります。一番最初に書いた測定の基準点というのは、この校正をすることでした。
この校正作業に必要なものが、キャリブレーションキットと呼ばれている高価なコネクタです。
今回は、このカスタムなキャリブレーションキットのお話です。
比較的低い周波数(10GHz未満)では、SOLTと呼ばれる校正を行います。SOLTは、Short、Open、Load、Thruの4つの頭文字をとったものです。
Shortは、信号線とアースを短絡しています。
Openは、逆に信号線は開放です。
Loadは、50Ωや75Ωなどの終端抵抗がされています。
Thruは、50Ωや75Ωなどのインピーダンスを持った線路の両端にコネクタがあり、信号は素通しです。
この4つについてインピーダンスでみてみると、
Shortは短絡しているために、入力信号と逆位相の信号が入力側に跳ね返ってきます。
Openはその逆で、入力信号と同位相の信号が入力側に跳ね返ってきます。
Loadは、インピーダンスがマッチしており、入力信号の反射がゼロになります。
Thruは、信号損失がほとんどなく入力信号が出力側から出てきます。
このようにインピーダンスがゼロ、∞、50Ω/75Ω等の時の位相差等をネットワークアナライザに覚えさせることで校正が行えます。
次回は、これらを基板上に作るときに、シミュレーターを使うお話です。
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このブログの最初の方で、高周波を評価するには電力を使うのが普通ですと書きましたが、ネットワークアナライザは位相と振幅を測定することで、電力の入出力および反射を表示する測定器です。(ネットワークアナライザにはベクトル型とスカラー型があって、前者は位相と振幅を見ますが、後者は振幅のみを見ます。)
一般的なネットワークアナライザにはポートが2つあり、その2つのポートの間に測定する回路等を入れます。この回路等を分布定数回路の2端子回路とみなし、そのSパラメータを測定するのがネットワークアナライザです。
数GHzから数十GHzの周波数になると、1λ(波長)が数センチから数10センチの長さになります。さらに伝送路がプリント基板上の配線になったり同軸のように誘電体に囲まれると、さらに波長が短縮します。つまり、高周波では伝送路つまりケーブルの長さにシビアであるということです。
先ほどのネットワークアナライザは位相を見るので、このケーブルの長さを考慮しないと、結果が違ってきてしまいます。
そこで、ネットワークアナライザを使う時には、実際に測定する素子や基板と、ケーブルの接点までの経路を校正してあげる必要があります。一番最初に書いた測定の基準点というのは、この校正をすることでした。
この校正作業に必要なものが、キャリブレーションキットと呼ばれている高価なコネクタです。
ですが、これらはコネクタの形状なので測定する基板の端っこまでの経路は補正できますが、基板上の配線までは補正できません。基板上の配線長が影響を及ぼすような周波数を扱う時には、キャリブレーションキットと同様な機能を持つプリント基板を作らないといけません。
今回は、このカスタムなキャリブレーションキットのお話です。
比較的低い周波数(10GHz未満)では、SOLTと呼ばれる校正を行います。SOLTは、Short、Open、Load、Thruの4つの頭文字をとったものです。
Shortは、信号線とアースを短絡しています。
Openは、逆に信号線は開放です。
Loadは、50Ωや75Ωなどの終端抵抗がされています。
Thruは、50Ωや75Ωなどのインピーダンスを持った線路の両端にコネクタがあり、信号は素通しです。
この4つについてインピーダンスでみてみると、
Shortは短絡しているために、入力信号と逆位相の信号が入力側に跳ね返ってきます。
Openはその逆で、入力信号と同位相の信号が入力側に跳ね返ってきます。
Loadは、インピーダンスがマッチしており、入力信号の反射がゼロになります。
Thruは、信号損失がほとんどなく入力信号が出力側から出てきます。
このようにインピーダンスがゼロ、∞、50Ω/75Ω等の時の位相差等をネットワークアナライザに覚えさせることで校正が行えます。
次回は、これらを基板上に作るときに、シミュレーターを使うお話です。
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2011年8月20日土曜日
基板発注(1GHz Amp & PinDi-ATT)
ちょっと前の記事のPINダイオードのアッテネータと、前回設計した1GHzのアンプですが、配線パターンを5cm角の基板に詰め込んで格安基板屋のFusionに出してみました。
いつもはEagleを使って回路図から基板を起こすのですが、今回は電磁シミュレータのSonnetで作った配線パターンを使います。
前回設計した1GHzのアンプは1.6mm厚の基板で設計しましたが、基板屋には0.8mm厚の基板で発注することにしたので、シミュレーションをやり直しました。結果はほとんど変わらず、マイクロストリップラインの幅が1.4mmになっただけでした。
Sonnetで作った配線パターンをフリーの基板エディタのPCBEでトレースしました。あとは、スルーホールやネジ穴のホール関係、SMAコネクタなどの部品、これら足りない部分を補い、シルクを書き込んで完成です。
PCBEは、ベタGNDでのランドの窓開けを手動でやらないといけないので注意です。Eagleでは自動的にベタランドの境界をつくってくれるので、これに慣れちゃうと忘れて大変なことになりそう。
垂直取り付けのSMAコネクタとストリップラインの整合が気になるところですが、まあ1GHzくらいなら大丈夫かな。下のPIN-D ATTの基板なんかはトラジェネの226.42MHzで使うので問題なし。
さて、こんな感じに基板にミシン目を入れて、上部をアンプ基板、下部をアッテネータ基板にしました。
10枚で送料込みで約1000円です。
あいかわらず安い。。。
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いつもはEagleを使って回路図から基板を起こすのですが、今回は電磁シミュレータのSonnetで作った配線パターンを使います。
前回設計した1GHzのアンプは1.6mm厚の基板で設計しましたが、基板屋には0.8mm厚の基板で発注することにしたので、シミュレーションをやり直しました。結果はほとんど変わらず、マイクロストリップラインの幅が1.4mmになっただけでした。
Sonnetで作った配線パターンをフリーの基板エディタのPCBEでトレースしました。あとは、スルーホールやネジ穴のホール関係、SMAコネクタなどの部品、これら足りない部分を補い、シルクを書き込んで完成です。
PCBEは、ベタGNDでのランドの窓開けを手動でやらないといけないので注意です。Eagleでは自動的にベタランドの境界をつくってくれるので、これに慣れちゃうと忘れて大変なことになりそう。
垂直取り付けのSMAコネクタとストリップラインの整合が気になるところですが、まあ1GHzくらいなら大丈夫かな。下のPIN-D ATTの基板なんかはトラジェネの226.42MHzで使うので問題なし。
さて、こんな感じに基板にミシン目を入れて、上部をアンプ基板、下部をアッテネータ基板にしました。
10枚で送料込みで約1000円です。
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2011年8月17日水曜日
電磁解析シミュレータによるRFアンプ設計(5)
高周波トランジスタBFS505のアンプ回路をシミュレーションで設計していますが、
今回は、整合したトランジスタ部分回路にバイアス回路を接続し、さらに入出力のカップリングコンデンサを追加して、最終的なアンプ回路を構築しました。
この回路を電磁解析してみます。 ポート1がRF入力、2がRF出力、3が直流電源8Vのポートです。
下に示したように、整合回路のみの結果と比べ、S11とS12のピークがすこしずれています。利得S21は、おおむね16dB以上とれています。
また、電源端子と出力端子の結合を示すS32は、-60dB以下となっており、信号の漏れや回り込みは低く抑えられそうです。
S22のピークが少し低周波側にずれているので、L2を28nHに変更してS11に合わせてみました。そのため、1GHzまでの利得は15dBから18dB程度のフラットな特性を示しています。
今回はチップ部品を多用しましたが、チップ部品は浮遊容量とインダクタンス成分があるので、それを考慮しなければいけません。それらを考慮して解析したのが下図になります。出力ポートと電源ラインの結合S32の低周波数側が高くなっていますが、目的の1GHz付近で-58.5dBなので問題ないようです。
あとは、実際に組んでみてチェックを行う予定です。
できあがったら、また書きます
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今回は、整合したトランジスタ部分回路にバイアス回路を接続し、さらに入出力のカップリングコンデンサを追加して、最終的なアンプ回路を構築しました。
この回路を電磁解析してみます。 ポート1がRF入力、2がRF出力、3が直流電源8Vのポートです。
下に示したように、整合回路のみの結果と比べ、S11とS12のピークがすこしずれています。利得S21は、おおむね16dB以上とれています。
また、電源端子と出力端子の結合を示すS32は、-60dB以下となっており、信号の漏れや回り込みは低く抑えられそうです。
S22のピークが少し低周波側にずれているので、L2を28nHに変更してS11に合わせてみました。そのため、1GHzまでの利得は15dBから18dB程度のフラットな特性を示しています。
今回はチップ部品を多用しましたが、チップ部品は浮遊容量とインダクタンス成分があるので、それを考慮しなければいけません。それらを考慮して解析したのが下図になります。出力ポートと電源ラインの結合S32の低周波数側が高くなっていますが、目的の1GHz付近で-58.5dBなので問題ないようです。
あとは、実際に組んでみてチェックを行う予定です。
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2011年8月16日火曜日
電磁解析シミュレータによるRFアンプ設計(4)
今回は、実際にSonnet上で基板パターンを作り、素子を配置して挙動を調べていきます。
まず、使用する高周波トランジスタBFS505だけを基板に乗せ、入出力ラインとアースをとって解析してみます。結果は、前回のネットリスト分析の結果とほとんど変わらないようです。
それでは、コンデンサやインダクタなどの整合素子をいれてみます。
まず入力側には並列コンデンサ5pFをいれ、直列インダクタはミアンダ線路で作りました。そして、出力側には直列にチップインダクタ24nHを入れます。
回路パターンやチップ部品の寄生容量があるので、ネットリストの分析結果よりも若干定数は変更してあります。同様に、ミアンダ線路も長さを最適化してあります。
その結果、ネットリスト分析とほとんど同じチャートが得られています。
次は、トランジスタに電流を供給するバイアス回路です。この設計は結構重要です。
このシリーズの最初のほうで、トランジスタ増幅回路の固定バイアスの定数を決めました。これはトランジスタを安定的に作動させるための抵抗値です。
このアンプ回路が比較的低い周波数で動作する回路なら、ここの周波数特性については、あまり気にしなくてもよいのです。しかし、今回の回路は高周波回路です。電流を供給する回路が共振を起こさないように、また信号の回り込みに注意しなければなりません。
このため、DC(つまり電源)は素通し、逆に高周波のノイズはブロックするようにします。インピーダンスでいえば、信号の入出力点からみたバイアス回路は高周波域でインピーダンスが無限大であり、バイアス回路側から見たトランジスタ回路は高周波域でインピーダンスがゼロであるのが理想的です。
これを実現するには、インダクタとコンデンサで共振回路をつくり、電源ラインに入れて高周波をトラップしてあげればいいでしょう。トラップしたい周波数と一致するような自己共振周波数を持つインダクタとコンデンサの組み合わせを作ればよいです。これもSonnetで作ります。
まず0.9GHz付近に自己共振をもつLとCの値を調べます。おおよそ、インダクタが560nH、コンデンサが20pFとなります。
これを直列に接続して、共振周波数を調べます。1GHz付近の減衰は-50dB程度ですが、高周波側が-30dBと、あと一歩です。
同様に、3.2GHz付近に自己共振を持つ51nHと2pFを組み合わせてみます。
この回路をトランジスタのバイアス回路とした場合、トランジスタ側から見たインピーダンスはほぼ無限大です。これでバイアス回路はOKでしょう。
次回は、最終的にアンプ回路をすべて組み立てていきます。
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まず、使用する高周波トランジスタBFS505だけを基板に乗せ、入出力ラインとアースをとって解析してみます。結果は、前回のネットリスト分析の結果とほとんど変わらないようです。
それでは、コンデンサやインダクタなどの整合素子をいれてみます。
まず入力側には並列コンデンサ5pFをいれ、直列インダクタはミアンダ線路で作りました。そして、出力側には直列にチップインダクタ24nHを入れます。
回路パターンやチップ部品の寄生容量があるので、ネットリストの分析結果よりも若干定数は変更してあります。同様に、ミアンダ線路も長さを最適化してあります。
その結果、ネットリスト分析とほとんど同じチャートが得られています。
次は、トランジスタに電流を供給するバイアス回路です。この設計は結構重要です。
このシリーズの最初のほうで、トランジスタ増幅回路の固定バイアスの定数を決めました。これはトランジスタを安定的に作動させるための抵抗値です。
このアンプ回路が比較的低い周波数で動作する回路なら、ここの周波数特性については、あまり気にしなくてもよいのです。しかし、今回の回路は高周波回路です。電流を供給する回路が共振を起こさないように、また信号の回り込みに注意しなければなりません。
このため、DC(つまり電源)は素通し、逆に高周波のノイズはブロックするようにします。インピーダンスでいえば、信号の入出力点からみたバイアス回路は高周波域でインピーダンスが無限大であり、バイアス回路側から見たトランジスタ回路は高周波域でインピーダンスがゼロであるのが理想的です。
これを実現するには、インダクタとコンデンサで共振回路をつくり、電源ラインに入れて高周波をトラップしてあげればいいでしょう。トラップしたい周波数と一致するような自己共振周波数を持つインダクタとコンデンサの組み合わせを作ればよいです。これもSonnetで作ります。
まず0.9GHz付近に自己共振をもつLとCの値を調べます。おおよそ、インダクタが560nH、コンデンサが20pFとなります。
これを直列に接続して、共振周波数を調べます。1GHz付近の減衰は-50dB程度ですが、高周波側が-30dBと、あと一歩です。
同様に、3.2GHz付近に自己共振を持つ51nHと2pFを組み合わせてみます。
そして、この2つのLC共振を組み合わせたものがこれです。
この回路をトランジスタのバイアス回路とした場合、トランジスタ側から見たインピーダンスはほぼ無限大です。これでバイアス回路はOKでしょう。
次回は、最終的にアンプ回路をすべて組み立てていきます。
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2011年8月15日月曜日
電磁解析シミュレータによるRFアンプ設計(3)
今回はインピーダンス・マッチング(実践編)です。
まずBFS505の特性をスミスチャートで見てみましょう。今回は1GHzのアンプですが、0.1GHzから1.6GHzまでをスキャンしてみました。
これを見ると、入力側の反射を示すS11は、レジスタンス50Ωでキャパシタンス(容量性コンダクタンスが強い)です。
また、出力側のS22は、レジスタンス100Ωで同じくキャパシタンスです。
なので、入力側は直列インダクタで整合できそうです。出力側は、入力側の整合でインピーダンスは下がるので、直列インダクタンスだけで大丈夫かな。
こんな当たりをつけて、整合素子を挿入したらインピーダンス曲線がどのように動くか、おおまかに予想しながらsonnetのネットリスト分析を行います。
実際には、入力に直列インダクタと並列コンデンサも挿入し、出力側には直列インダクタを挿入して、次のようなチャートが得られました。1GHzまで、できるだけフラットな特性にしたので、S21は0.6GHzから1GHzまで18dB程度、アイソレーションは1GHzでS11、S22とも-12dB程度とれています。
下図は、ネットリストの分析結果を踏まえた整合回路です。
次に、この回路をどのような素子で組んでいくか考えます。まず、基板はガラスエポキシFR-4の1.6mm厚を使います。裏面はベタアースで、表面にストリップラインの伝送路を作ります。
ストリップラインの特性インピーダンスを50Ωとした場合の、線幅を求めます。これもsonnetの電磁解析で線幅を変化させながら周波数特性をみると、h=2.8mmとなります。
次に素子ですが、チップ部品は寄生容量があるので、注意して使わないといけません。
整合用のインダクタL1は7nHなので、高インピーダンス回路のミアンダ線路にします。L2は25nHと比較的高いインダクタンスなので、スパイラル線路かチップインダクタを使用します。
次回は整合回路をsonnetで作り解析してみます。
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まずBFS505の特性をスミスチャートで見てみましょう。今回は1GHzのアンプですが、0.1GHzから1.6GHzまでをスキャンしてみました。
これを見ると、入力側の反射を示すS11は、レジスタンス50Ωでキャパシタンス(容量性コンダクタンスが強い)です。
また、出力側のS22は、レジスタンス100Ωで同じくキャパシタンスです。
なので、入力側は直列インダクタで整合できそうです。出力側は、入力側の整合でインピーダンスは下がるので、直列インダクタンスだけで大丈夫かな。
こんな当たりをつけて、整合素子を挿入したらインピーダンス曲線がどのように動くか、おおまかに予想しながらsonnetのネットリスト分析を行います。
実際には、入力に直列インダクタと並列コンデンサも挿入し、出力側には直列インダクタを挿入して、次のようなチャートが得られました。1GHzまで、できるだけフラットな特性にしたので、S21は0.6GHzから1GHzまで18dB程度、アイソレーションは1GHzでS11、S22とも-12dB程度とれています。
下図は、ネットリストの分析結果を踏まえた整合回路です。
次に、この回路をどのような素子で組んでいくか考えます。まず、基板はガラスエポキシFR-4の1.6mm厚を使います。裏面はベタアースで、表面にストリップラインの伝送路を作ります。
ストリップラインの特性インピーダンスを50Ωとした場合の、線幅を求めます。これもsonnetの電磁解析で線幅を変化させながら周波数特性をみると、h=2.8mmとなります。
次に素子ですが、チップ部品は寄生容量があるので、注意して使わないといけません。
整合用のインダクタL1は7nHなので、高インピーダンス回路のミアンダ線路にします。L2は25nHと比較的高いインダクタンスなので、スパイラル線路かチップインダクタを使用します。
次回は整合回路をsonnetで作り解析してみます。
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2011年8月14日日曜日
電磁解析シミュレータによるRFアンプ設計(2)
前回は、1GHzのRFアンプ製作の1回目として、高周波トランジスタのバイアス回路を設計してみました。
VCC=8V、RB=129kΩ、RC=396Ω、コレクタ電圧VCE=6Vのとき、コレクタ電流 IC=5mAとなります。
今回はインピーダンス・マッチング(基礎編)です。
まず高周波領域では、電流や電圧を測定して回路の状態を把握することが難しいということがあります。例えば、高周波回路に電圧プローブを当てると、それだけで回路の状態が変化してしまいます。
では何を指標にすればよいかというと「電力」になります。 電力の入出力の関係を表すパラメータをSパラメータといい、回路の端子間に出入りする波の位相と振幅の関係を示しています。また、Sパラメータはマトリクスで表現され、2端子回路では、2行2列の行列になります。
回路をブラックボックスとしたとき、入力をポート1、出力をポート2とします。このときのSパラメータは次のような意味を持っています。
では、今回使用するトランジスタBFS505のSパラメータを見てみましょう。
いまでは、多くのメーカーが自社チップのSパラメータを提供していますので、このような解析もできるようになりました。
エミッタ接地、VCE=6V、 IC=5mAの時のSパラメータのうち、800MHzから1400MHzを抜粋してみました。
=============================================================
! Filename: BFS505K.S2P Version: 4.0
! Philips part #: BFS505 Date: Jun 1994
! Bias condition: Vce=6V, Ic=5mA
!
# MHz S MA R 50
! Freq S11 S21 S12 S22 !GUM [dB]
800 .411 -65.1 5.887 110.7 .072 65.1 .646 -24.8 ! 18.5
900 .362 -68.3 5.388 106.6 .078 65.4 .624 -24.7 ! 17.4
1000 .319 -71.4 4.945 103.0 .083 65.5 .604 -24.4 ! 16.3
1200 .246 -79.1 4.279 97.2 .093 65.9 .565 -23.9 ! 14.6
1400 .204 -88.1 3.811 92.7 .105 66.9 .538 -24.4 ! 13.3
=============================================================
これから、BFS505の1GHzでの挙動は、次のようなことが分かります。
では、回路のインピーダンスを合わせるために簡単な方法はないでしょうか。よくつかわれるのがスミスチャートと呼ばれる図形です。
インピーダンスは、R±jXと表現されますが、Rは抵抗成分(レジスタンス)で、Xはリアクタンス成分です。
このチャートでは、円の中心を通る横軸がレジスタンス成分を示し、左端を起点とした円周上にリアクタンス成分の虚数軸となっています。右端から放射状に延びている線は、リアクタンス成分の等価線を示しています。
チャートの上側が、+jで誘導性リアクタンスを示し、チャートの下側が-jで容量性リアクタンスを示しています。そして、チャートの中心点か基準点Z0となり、通常は50±j0 つまり、インピーダンス50Ωを示します。
これを使うと何がうれしいかというと、回路のインピーダンスは、このチャートのどこかにプロットされ、その点を中心に移動させるように、コイルやコンデンサを組み合わせた整合回路を作ってあげれば、整合完了となるのが目でわかるということです。
どのように点を動かしていけばよいか、簡単な例を示します。
この場合のチャートは、スミスチャートの左右反転させたアドミタンスチャートを使います。
このように、コイルやコンデンサ素子を直列や並列に入れることで、チャート上を移動させることができます。
では、今度は実例で回路を整合させてみましょう。
この例は、16+j15というインピーダンスを50Ωに整合させる例です。
16+j15はチャートの点0に位置しています。この回路に直列にコンデンサを挿入します。容量性リアクタンスが増加するため、インピーダンスは等リアクタンス円に沿って点1まで移動します。点1のインピーダンスは16-j23.4です。このときのコンデンサ容量は4.15pFでした。
次に、点1に接する等コンダクタンス円を赤い円で示します。ちょうどこの円はチャート中心点を通ります。したがって、並列にコイルを挿入し、等コンダクタンス円に沿って中心に移動させればよいわけです。この移動に必要なコイルの容量は5.5nHとなりました。
というわけで、上のような回路を挿入することでインピーダンスが50Ωに整合できました。
次回は実際にBFS505の入出力の整合をしてみます。
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VCC=8V、RB=129kΩ、RC=396Ω、コレクタ電圧VCE=6Vのとき、コレクタ電流 IC=5mAとなります。
今回はインピーダンス・マッチング(基礎編)です。
まず高周波領域では、電流や電圧を測定して回路の状態を把握することが難しいということがあります。例えば、高周波回路に電圧プローブを当てると、それだけで回路の状態が変化してしまいます。
では何を指標にすればよいかというと「電力」になります。 電力の入出力の関係を表すパラメータをSパラメータといい、回路の端子間に出入りする波の位相と振幅の関係を示しています。また、Sパラメータはマトリクスで表現され、2端子回路では、2行2列の行列になります。
回路をブラックボックスとしたとき、入力をポート1、出力をポート2とします。このときのSパラメータは次のような意味を持っています。
- S11 ポート1の反射係数、ポート1に入力した信号が反射してくる割合
- S22 ポート2の反射係数、ポート2から出力しようとした信号が出ていけない割合
- S21 ポート1に入力した信号が増幅してポート2から出てくる割合
- S12 ポート2から入った信号がポート1から出てくる割合
では、今回使用するトランジスタBFS505のSパラメータを見てみましょう。
いまでは、多くのメーカーが自社チップのSパラメータを提供していますので、このような解析もできるようになりました。
エミッタ接地、VCE=6V、 IC=5mAの時のSパラメータのうち、800MHzから1400MHzを抜粋してみました。
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! Filename: BFS505K.S2P Version: 4.0
! Philips part #: BFS505 Date: Jun 1994
! Bias condition: Vce=6V, Ic=5mA
!
# MHz S MA R 50
! Freq S11 S21 S12 S22 !GUM [dB]
800 .411 -65.1 5.887 110.7 .072 65.1 .646 -24.8 ! 18.5
900 .362 -68.3 5.388 106.6 .078 65.4 .624 -24.7 ! 17.4
1000 .319 -71.4 4.945 103.0 .083 65.5 .604 -24.4 ! 16.3
1200 .246 -79.1 4.279 97.2 .093 65.9 .565 -23.9 ! 14.6
1400 .204 -88.1 3.811 92.7 .105 66.9 .538 -24.4 ! 13.3
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これから、BFS505の1GHzでの挙動は、次のようなことが分かります。
- S11=(0.319)2=0.102 インピーダンスが整合しなければ、入力の10%が反射されます。
- S22=(0.604)2=0.365 インピーダンスが整合しなければ、増幅した信号の36.5%が出力されません。
- S21=(4.945)2=24.45 入力された信号は24.45倍(13.9dB)に増幅されます。
- S12=(0.083)2=0.00069 出力側から入った信号は、0.00069倍(-21.6dB)に減衰して入力側から出てきます。
では、回路のインピーダンスを合わせるために簡単な方法はないでしょうか。よくつかわれるのがスミスチャートと呼ばれる図形です。
インピーダンスは、R±jXと表現されますが、Rは抵抗成分(レジスタンス)で、Xはリアクタンス成分です。
このチャートでは、円の中心を通る横軸がレジスタンス成分を示し、左端を起点とした円周上にリアクタンス成分の虚数軸となっています。右端から放射状に延びている線は、リアクタンス成分の等価線を示しています。
チャートの上側が、+jで誘導性リアクタンスを示し、チャートの下側が-jで容量性リアクタンスを示しています。そして、チャートの中心点か基準点Z0となり、通常は50±j0 つまり、インピーダンス50Ωを示します。
これを使うと何がうれしいかというと、回路のインピーダンスは、このチャートのどこかにプロットされ、その点を中心に移動させるように、コイルやコンデンサを組み合わせた整合回路を作ってあげれば、整合完了となるのが目でわかるということです。
どのように点を動かしていけばよいか、簡単な例を示します。
ある回路のインピーダンスが50+j50としたら、その点は上のグラフの点0に位置します。この点に接する円は等リアクタンス円といい、斜めに伸びる線を等レジスタンス線といいます。
さて、この回路に直列にコイルを入れると、誘導性リアクタンス成分が増加するため、インピーダンスは等リアクタンス円にそってA方向に移動します。
では、直列にコンデンサを入れると、今度は容量性リアクタンス成分が増加するため、インピーダンスは等リアクタンス円にそってB方向に移動します。
直列に抵抗を入れるとどうなるでしょうか?等レジスタンス線にそってC方向に移動します。しかし、実際のマッチングでは抵抗を入れると損失となるので、抵抗をいれることはしません。
では、回路に並列に素子をいれたらどうなるでしょうか?この場合にはサセプタンス成分とコンダクタンス成分を考えないといけません。この場合のチャートは、スミスチャートの左右反転させたアドミタンスチャートを使います。
先ほどと同様に、ある回路のインピーダンスが50+j50としたら、その点は上のグラフの点1に位置します。この点に接する赤い円を等コンダクタンス円といい、斜めに伸びる線を等サセプタンス線といいます。
さて、この回路に並列にコイルを入れると、誘導性コンダクタンス成分が増加するため、インピーダンスは等コンダクタンス円にそってE方向に移動します。
では、直列にコンデンサを入れると、今度は容量性コンダクタンス成分が増加するため、インピーダンスは等コンダクタンス円にそってF方向に移動します。
直列に抵抗を入れるとどうなるでしょうか?等サセプタンス線にそってG方向に移動します。しかし、実際のマッチングでは抵抗を入れると損失となるので、抵抗をいれることはしません。このように、コイルやコンデンサ素子を直列や並列に入れることで、チャート上を移動させることができます。
では、今度は実例で回路を整合させてみましょう。
この例は、16+j15というインピーダンスを50Ωに整合させる例です。
16+j15はチャートの点0に位置しています。この回路に直列にコンデンサを挿入します。容量性リアクタンスが増加するため、インピーダンスは等リアクタンス円に沿って点1まで移動します。点1のインピーダンスは16-j23.4です。このときのコンデンサ容量は4.15pFでした。
次に、点1に接する等コンダクタンス円を赤い円で示します。ちょうどこの円はチャート中心点を通ります。したがって、並列にコイルを挿入し、等コンダクタンス円に沿って中心に移動させればよいわけです。この移動に必要なコイルの容量は5.5nHとなりました。
Cs=4.15pF, Lp=5.5nH
というわけで、上のような回路を挿入することでインピーダンスが50Ωに整合できました。
次回は実際にBFS505の入出力の整合をしてみます。
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