Tektronixの2430Aという、150MHz 2chのデジタルオシロスコープです。
1980年代後半の製品で、当時150万くらいしたでしょうか。
しっかりとした作りなので、まだ十分動くと思います。
で、今回のオシロの症状をチェックしてみました。
まず、電源スイッチをポチっと。起動してファンが回り(ファンが回るのは結構重要なポイントです。)、自動的に自己診断が開始します。
全PASSです。コネクタやつまみなども異常ないようです。
んー、5分くらいしてから再びDIAGを行います。
すると、CCD関係のゲインがFAILし、ほかにもいろいろFAILしだしました。こりゃいかんですね。
次に波形を見てみようかなと基準信号を入力したところベースが安定しません。上下に波形ががふらつく感じ。
またCh.2の垂直ポジションつまみを動かすと、通常なら波形を上下に動かせるんですが、こいつは勝手に動いてしまいます。上か下に行きっぱなしで波形が見えなくなっちゃいました。
さらに時々Ch.2に入力できなくなります。
重症ではないですが、使用するには支障をきたすレベルです。
さて、症状はわかったので原因と対策を考えましょう。
まず、通電直後は問題ないのに時間がたつとおかしくなるのは、冷却がうまくいってなくてオーバーヒートしている可能性が高いです。テクトロの2400シリーズは熱にシビアなので、ほこりが放熱板とか部品にくっついて風の通りが悪くなってるんじゃないかなあと予想。
つうわけで、ふたを開けてエアーダスターで吹き飛ばすことをやってみましょう。
波形のベースが安定しないのも、冷却がうまくいってないからでしょう。
次に波形のポジションつまみですが、回路図を見るとこの部分は可変抵抗器になっていました。たぶん可変抵抗器内部の接触不良です。軸の隙間にポリコールを垂らせば直ると思います。
では、本体をばらして中身をとりだします。さすがテクトロって感じの作りですね。本体下部には発熱する素子がてんこ盛りです。
内部のほこりをエアーダスターで吹き飛ばし、細かい掃除を行います。次にフロントパネルを分解し、接触不良と思われるボリュームの軸から内部へポリコールを浸透させます。
信号のコネクタも接触不良っぽくなってそうなので、ついでにポリコールをたらします。
いよいよ通電をしてみると、なかなかよいようです。対策はドンピシャっていうところでしょうか。
ここで、扇風機を本体の下部にあるヒートシンク群に向け、送風開始です。
なぜかというと、本体カバーがクローズになっているときは冷却ファンが風道を作って全体が冷えるんですが、校正等でオープンにしている場合には、強制的に内部を冷やさないとオーバーヒートするからです。
校正マニュアルにも、これをやらないと素子が破壊されることもあるよと、要注意事項として書いてありました。
まず、安定性のチェックとして、しばらく放置して何回か自己診断をしてみましたが問題ありません。
こんな感じで、全チェックPASSしています。
あとは校正を行います。校正するときは、サイドの基板にあるJ156のショートプラグを引き抜くことで、メニューのEXTCALが有効化されます。メニューの指示通りにキャリブレータから所定の電圧を印可して校正します。この辺はさすがデジタルオシロ、簡単になってます。
ショートプラグを元に戻し、最後にケースを元通りにして終了です。
テスト信号を入力してみましたが、Ch1,2とも問題ありません。
往年の名機が復活して喜ばしいのですが、活躍の場はあまり無さそうなのが残念です(笑
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あとは校正を行います。校正するときは、サイドの基板にあるJ156のショートプラグを引き抜くことで、メニューのEXTCALが有効化されます。メニューの指示通りにキャリブレータから所定の電圧を印可して校正します。この辺はさすがデジタルオシロ、簡単になってます。
ショートプラグを元に戻し、最後にケースを元通りにして終了です。
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