このブログでは、工作の記録、実験の結果や考察が散逸しないように専ら備忘録に使ってます。プログラムのソースや設計データ等は載せていませんが、詳しく知りたい方がおりましたらコメントいただければ対応します。

所有する主な測定器はこちらです。


2011年10月8日土曜日

I/Oてんこもりデータロガー基板(1)

某所で作った放射線空間線量のデータロガー&PHS送受信システムが評判よいので、次期バージョンとしてI/Oてんこもりなコントローラ基板を設計してみました。

PHSを搭載したボックスコンピュータからUSBでデータを取り込みができ、リレーやSSRを搭載しているので外部電子機器などもONOFFできるコントローラ基板です。制御にはUSBトランシーバ内臓PIC(18F2550)を使います。

他のデータロガーや、実験用のコントローラーにも使えるようにI/Oをてんこもりにしました。AC電源もゼロクロスSSRでON/OFFできるので、温度センサーと組み合わせて温度調節コントローラにも転用可能です。
  1. A/D変換(10bit) オペアンプ増幅あり 2ポート
  2. A/D変換(10bit) 2ポート
  3. GPIO 2ポート
  4. 1-Wireインターフェース(1-Wire規格の温度センサーやADコンバータなどが接続可)
  5. AC電源コントロール(SSR) 定格115V, 20A
  6. 外部機器用DC電源(6V)出力 ON/OFF可能
  7. 汎用リレー(NC,NO) 2系列 定格250V, 1A
その他に、2.5V基準電圧(A/Dポートに接続済)、オンボード温度センサー、ステータスLEDなどを搭載しました。
さらに、空いた部分をユニバーサルエリアとして、穴あき基板を設置しました。

いろいろ詰め込んだので基板サイズが10cm角になりましたが、格安基板屋ならそれでも$25程度で10枚できちゃいます。
先週いつものFUSIONに発注したんですが、昨日「発送したよ」ってメールがあったので、もうすぐ届くでしょう。


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2011年10月7日金曜日

トラッキングジェネレータ用広帯域アンプ(4)

トラッキングジェネレータ用広帯域アンプの基板をFUSIONに発注しました。

スタブの形状をさらに改良し、下のグラフのように出力レベルの平坦度が2dBmに収まるようにしました。
アンプ用の電源は、外部から直接8Vを供給するか、三端子レギュレータを使うこともできるようにパターンを用意しました。ノイズ対策のため、電源部分の回路はアースを含めてアンプ回路から分離し、さらに基板にホールをいくつか空けておきました。(FUSIONはスリット穴には未対応なので)

このアンプを5cm角基板の2/3に配置しましたが、1/3が残ってしまいました。
もったいないので、この残り1/3をLCフィルターの実験基板にしてみました。

フィルター基板では、9次までのチェビチェフ/バターワース型のLPF/HPFを作ることができます。マイクロストリップラインのパターンはデフォルト5次(L2つ、C3つ)で、必要に応じてパターンカットで9次まで対応します。

基板が届くのが楽しみです!


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2011年10月3日月曜日

トラッキングジェネレータ用広帯域アンプ(3)

前回シミュレーションした広帯域アンプの回路を少し改良してみました。
格安基板屋で50mm角基板が$10で作れるので、基板の横幅は50㎜で設計しています。
 右側の扇型のスタブの大きさと水平位置を変更して、S22の高周波側のマッチングを改善してみました。

出力レベルの平坦度も、だいぶ改善されました。とりあえず、これで発注してみたいと思います。



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2011年10月2日日曜日

トラッキングジェネレータ用広帯域アンプ(2)

DC~3.5GHzまでの広帯域アンプですが、フラットな特性(もちろん位相がくるくる回ってしまうのは論外)を出さないといけません。

増幅チップは、高周波広帯域増幅用MMIC(Microwave Monolithic IC)を使います。入出力インピーダンスが50Ωに整合されているので比較的簡単に広帯域アンプが作れます。
今回のMMICは、ミニサーキット社のERA-1です。DC~8GHzまで対応するMMICで、4GHzまで+10~12dBm増幅してくれます。これを2段カスケードで使用します。
基板は厚さ0.8mmのガラスエポキシ基板としました。

MMICでは、バイアス回路を経由して必要な電力をチップに供給しますが、高周波信号と電源を分離することが必須です。
この信号と電源の分離回路ですが、前に増幅回路を設計した際にコンデンサとインダクタを組み合わせてチョーク回路を作りました
今回も同様に、インダクタ、バイパスコンデンサとチップ抵抗を取り付けて回路を組んでいきます。
 この回路の電磁解析結果は次の通りでした。
 この結果からは、3.5GHzまで利得は19dBmから24dBmまでの範囲に収まっているのが分かります。またS32も-50dB以下となり、電源と信号の分離はできています。でも、もうすこし改善できるといいかな。

次に、このチョーク回路をミニサーキット社のチョークコイルに交換して設計してみます。
使用するチョークはADCH-80Aで、50MHz-10GHzまで使用可能なチョークコイルです。

ミニサーキット社の製品はSパラメータが公開されているので、シミュレーターで設計するのが容易です。今回も増幅用MMIC、チョークコイルのパラメータをダウンロードして使いました。

さて、以下のように回路を変更しました。チョークコイル(けっこうサイズがでかい)が基板の面積の結構な割合を占めています。
この回路ではさらに出力ポートのインピーダンスマッチングのためにスタブ(右側の扇型のパターン)を2つ挿入してあります。チップ部品のような集中定数ではなく、分布定数のコンポーネンツを入れるのがミソです。
この回路の電磁解析結果は次の通りでした。

DCから3.5GHzまでの利得は+20dBmから+24dBmまでの範囲に収まり、さきほどより改善しました。またS32も-70dB以下となり、電源と信号の分離もずいぶんよくなりました。
S11とS22のスミスチャートを見ると、3.5GHzまで中心に集まっています。
でも、もう少し中心に集まるようにマッチングを改善すると、もっと良い特性になります。

とりあえずの回路はできましたが、もう少し特性をよくするように回路を見直していきます。

今回はここまでとします。


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2011年10月1日土曜日

トラッキングジェネレータ用広帯域アンプ(1)

前回トラジェネのパーツがほぼ揃って、あとは組み立てるだけかなあと思っていたんですが、足りないものがありました。
トラジェネのブロック図のうち、2段目のミキサーの出力を増幅してからLPFに入れないといけないですが、そのアンプが足りません。おそらく2段目のミキサーの出力は-15~-18dBmくらいになるので、20dBmくらいのアンプが必要です。しかもこのアンプはDCから3.5GHzくらいまでGAINがフラットであるほどいいという代物です。

使用周波数がDCから数GHzまでとなると、さすがにMMIC(Microwave Monolithic IC)を使わないと設計が大変です。MMICの入出力インピーダンスは50Ωに整合されているので、整合回路を使わなくてすみます。
あとは、電源のバイアス回路のインピーダンスを考えればOKでしょう。

使うMMICは、前にも使ったミニサーキット社のERA-1です。これを2段にします。3.5GHzあたりまでフラットな性能にしないといけないので、電磁解析シミュレーターを使ってプリント基板の設計も行います。

実際の設計は次回です。


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