このブログでは、工作の記録、実験の結果や考察が散逸しないように専ら備忘録に使ってます。プログラムのソースや設計データ等は載せていませんが、詳しく知りたい方がおりましたらコメントいただければ対応します。

所有する主な測定器はこちらです。


2011年8月8日月曜日

部品箱の整理

自作に必要不可欠な抵抗、コンデンサ、インダクタ等々、工作を続けてくると山と集まってくるものです。そのかわりきちんと整理しないと、必要な時に部品箱をひっくり返して探す羽目になり、非常に効率が悪いです。

特にチップ部品はリールで持ってると場所はとるは邪魔だわと、新聞紙の上で全部引っぺがしてビニール小袋に入れておくのがベストです。

この収納袋ですが、100円ショップにA9サイズの「チャック付ポリ袋」が売っていて重宝しています。

今日は手持ちのリード抵抗、金属皮膜リード抵抗、チップ抵抗、チップコンデンサ、チップインダクタをすべて容量別に袋に入れてマジックで値を記入するという、実に地味な作業をしてました。

E-24系列やE-48系列別一覧をエクセルで作り、在庫数を入力していく(地味すぎ)作業を続けると、使用頻度高なのに在庫ゼロというのがあって、秋葉の買いだしリストに転記することになります。

手間は取りましたが、必要な容量の部品をすぐ取り出すことができ、さらに在庫管理もできるようになったので、補充も楽になりそうです。


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2011年8月5日金曜日

基板の比誘電率を測定する

ジャンクで大量に入手した両面基板がありますが、ジャンクなので比誘電率がわかりません。
比誘電率が分からないと、高周波回路で使おうにもちょっと困ってしまうので、簡単に求めてみました。

両面基板の銅箔を電極と考えれば、大きなコンデンサと同じですね。間にある基板樹脂は誘電体であり、その比誘電率の値を求めたいわけです。

さて、平行平板コンデンサの静電容量を計算する式は、次の通りです。
S: 電極の面積 [m2], ε: 誘電体の誘電率 [F/m], εs: 誘電体の比誘電率
ε0: 真空の誘電率: 8.85×10-12 [F/m], d: 電極間の距離 [m]

素性未知の両面基板の端っこの銅箔に、錫めっき線を半田付けします。あたかも巨大なコンデンサを作ったようなものですが、これを静電容量を測れるマルチメータに接続します。

今回の基板は、2.46nFと表示されました。この時の基板面積は0.0931m2、 基板厚は1.6mmでした。
これらを上の計算式に代入し、εsを計算します。
εs = (2.46 x 10-9 x 1.6 x 10-3)/(8.85 x 10-12 x 0.0931) = 4.78

誤差が10%としても、ガラスエポキシと同等の比誘電率を持つことがわかりました。
これなら、いろいろ使えそうです。お得な買い物でした。

代表的な物質の比誘電率表は こちら
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2011年8月4日木曜日

発振器用のアンプ(3)

前回の続きです。

在庫の生基板をガラエポと思いこんでましたが、出してよく見たら紙フェノールでした。なので、前回のAppCADの設計パラメータの誘電率を修正し、ストリップラインの幅4.2mm、ギャップ3mmとしました。回路も少し変更してあります。

あとは基板にパターンを刻み、チップ部品だけで下図のように組みました。入出力はSMAコネクタを直接半田付けしてあります。

これなら、まあ落第点ではないですかね?(笑。
さっそく通電し、シグナルジェネレータで226MHzを発振させて入力します。オシロでみると、入力信号がVp-pで241mV(-8.4dBm)に対して、出力信号が1.56V(7.84dBm)でています。
つまり、このアンプの利得は、20log(1.56/0.241)=16.2(dB)となります。

ちゃんとシールドをすれば、もう少し利得が上がるかも。

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2011年8月3日水曜日

発振器用のアンプ(2)

今作ってる増幅回路があまりにも雑すぎて自分で嫌気がさしたので、ちゃんと基板つくることにしました。(まだ基板屋には出さないですけど)

まずAppCADというツールでマイクロストリップラインを設計します。
AppCADはアジレントテクノロジー社が無償で提供している高周波用のツール集です。自由にダウンロードできます。
ツールを起動して左のメニューから"Passive Circuits"をクリックすると、マイクロストリップラインのメニューが現れます。
使用する生基板はガラスエポキシなのでFR-4 を選択すると、誘電率が4.6と入力されました。いろんな材質のものがプリセットされているのでいちいちεを調べなくてよいので楽です。

今回は、周波数2GHz、基板厚さ1.6mm、銅箔厚さ35μmでインピーダンスが50Ωになるように、
ライン幅とギャップを調節します。(周波数はライン幅には直接影響しません)
ここでは、ライン幅を3mmに、ギャップを3mmにすると、50.6Ωとなりました。

ちなみに、Elect Lengthの値を0.25になるようにLの値を調整すれば、1/4波長のラインが何mmなのかわかります。もっと高周波域でフィルタとかをストリップラインで作るときには大活躍って感じですかね。

回路図はこんな感じです。必要に応じて2段増幅できるようにしました。
2段目は利得の高いERA-5でもよさそうです。
できたら続きをアップします

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発振器用のアンプ(1)

ちょっと更新に間があいてしまいました。もう8月です。

この前作ったトラジェネの226.42MHz発振器ですが、出力レベルが少し低かったので、PINアッテネータの前に少し増幅してあげようと思います。
部品箱にミニサーキット社ERA-1という広帯域アンプの石があったので、これを使ってみます。
この石はDC-8GHzまで10dB程度の増幅を見込めるモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)です。 
増幅したい信号ラインの間に入れ、出力ピンにバイアスをかけます。抵抗とインダクタをシリーズに接続し、規定の電流を流してあげるだけでOKという、とっても楽ちんな石です。

さっそく組み立ててみましたが、下の写真のようにシールド遮蔽をする前で時間切れです。いったん休み。(笑

今回の基板は、片面ガラエポの裏に銅箔テープを張った簡単なものです。
試しに数10MHzの信号を入力するとカタログ通りの増幅度が得られますが、さすがにこの状態で226MHzを加えても2-3dBくらい増幅するかしないかという程度です。

次回は銅板で回路を遮蔽し、電源ラインに貫通コンデンサを入れます。

所詮200MHzオーダーの単一周波数のアンプなので、こんな雑に作っても動きます。
でも、DC-数GHzで平坦な特性を持つように作るには、ちょっとまじめにやらないとだめでしょうね。



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