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2011年10月16日日曜日

負帰還による広帯域アンプの設計と製作(3)

前回まで、負帰還のエミッタ接地増幅回路の定数のうち、抵抗値を実際に求めました

設定ゲイン12dB、電源電圧12Vのときの抵抗値は以下の通りです。

RC=990Ω(430Ωと560Ωの直列接続)
R1=3.8kΩ
R2=1.2kΩ
RF=220Ω
RS=6Ω
RE=187Ω(330Ωと430Ωの並列接続)

次は、バイパスコンデンサC1~C3の値ですが、目的の周波数帯の信号を素通しするような容量にしないといけません。必要があれば異なる容量のコンデンサを並列接続しても構いません。

理想的なコンデンサは、周波数が高くなるにしたがってインピーダンスは直線的に減少します。実際のコンデンサも周波数が高くなるとインピーダンスは下がりますが、ある周波数を超えると逆にインピーダンスが上昇し始めます。その周波数の領域ではコンデンサはキャパシター成分よりもインダクタンス成分が強くなるためです。つまりコイルとして働いています。

このように、実際のコンデンサはコンデンサとコイル(と抵抗成分)が直列、並列に接続したようなモデルで考えられるので、その共振点を考慮しないといけません。

さて、今回の広帯域増幅回路の周波数帯はDC~1GHzです。この周波数帯の信号が素通りになるように(反射が無いように)しないといけません。これを電磁解析シミュレーターで解析したいと思います。

まず0.1uFだけで解析してみました。
S11の反射特性を見てみると、DC近くで-36dB、1GHzで-28dBでなかなかいい感じです。でももうすこし落としたい気がします。そこで、0.068uFを並列に接続して、特性をみてみました。
DC近くで-40dB、1GHzでも-41dBで、だいぶ改善しました。
さらにDC近くの反射特性を下げたいので、今度は1uFと0.1uFの組合せで並列接続して解析しました。
DC近くの反射は-56dBとなりました。バイパスコンデンサはこれでいきましょう。
今回まで決まった定数を入れた回路図を上に示しました。次回は全体をまとめてシミュレーションしてみます。


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