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2011年7月21日木曜日

トラッキングジェネレータ(1)

LCフィルタとかを作っても、変なところにノッチがあったり、性能が出なかったりで、周波数特性を調べないと、なかなか使えません。
こういう時は、トラッキングジェネレータ(トラジェネ)が便利です。でも、トラジェネはスペクトラムアナライザ(スペアナ)のオプションであり、ちょっと高価で入手性も悪いです。スイープ機能があるシグナルジェネレータ を使って調べるのも手ですが、ちょっと手元にありません。

スペアナは一種のスーパーヘテロダイン広帯域受信機です。YIG発振器で連続的に発生させたスイープ信号を、入力信号と混合します。このMIX信号をXYスコープのY軸に加え、YIG発振器のスイープ電圧をXYスコープのX軸に加えると、スペアナの信号として観測できます。

うちにあるアドバンテストR4131Cは同じアドバンテストのR3267に比べて性能が劣るのですが、LO1とLO2が裏に出ているので、簡単にトラジェネが作れそうです。《こいつの純正トラジェネは外付けなので当たり前ですが》
まず、オペレーションマニュアルから内部の発振周波数を調べます。一般的に、こういう情報はあまり出ていないのですが、R4131Cのマニュアルには内部ブロック図まで書かれてありました。

マニュアルから細かい周波数の情報を拾ってまとめると、次のようになります。
スペアナの0-3.5GHzの入力信号は、第1LOの4-7.6GHzと混合させ4GHzの第1IFに変換されます。以下同様に、226.42MHzの第2IFに、26.42MHzの第3IFに、最後に3.58MHzの第4IFに順次変換されていきます。また、スペアナの裏パネルには、第1LOの4-7.6GHzと、第2LOの3.77GHzが出ています。
つまり、R4131Cに使えるトラジェネは、第2IFと同じ226.42MHzの周波数に第2LOを混合した4GHzに、第1LOのスイープ信号を混合させたスイープ信号を出力すればいいことになります。

ここで注意することは、トラジェネはスペアナと同じ周波数を発振しているため、漏れ信号が第1、第2LOの出力端子からスペアナに入り込むと、スペアナのノイズレベルが上がってしまうことです。これを防ぐために、スペアナからの第1第2LO出力に20dBのアイソレータを2つずついれ、40dBのアイソレーションを確保します。
下の図は、トラジェネのブロック図です。レベル調整のためのアンプやアッテネータなどの細かいパーツは除いてあります。

たぶんこれでいけるでしょう。DBMの帯域特性の都合上、最終のローパスは2GHzのものになりましたので、トラジェネの出力は0-2GHzです。でも、実用には十分ですね。
広帯域のDBMと3.3GHzのLPFを見つけたので、トラジェネの出力はDC-3.3GHzになりました。
(2)へ続く

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